マカとビール酵母の関連性(相乗効果)
マカとビール酵母には共通の効果があるので、同時に摂取すると、相乗効果でより高い効果が期待できます。
ここでは、マカとビール酵母を同時に摂取すると得られる相乗効果や、効果がある成分について説明します。
マカとは?
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マカは、アンデス山脈の高地が原産地のアブラナ科の植物です。
アンデス山脈の高地は、
・高度4000メートル
・一年の平均気温が7度以下
・一日の温度差が30度
・空気が薄く、紫外線が強い
・強風が吹きおろす
・日照りがある
・霜が降り、雹(ひょう)が降る
という大変過酷な環境です。
マカは、この環境を生き抜くために、土地の栄養素を根こそぎ吸い尽くして根に溜めるので、栄養素を豊富に含んでいます。
マカは、栽培された土地や環境、栽培方法によって含んでいる成分が異なりますが、
・18種類のアミノ酸
・9種類のミネラル
・ビタミン
・食物繊維
・マカエン、マカエド、サポニンなどの二次代謝産物
を、含んでいます。
二次代謝産物とは、植物が生きていくのに必須ではないけれども、環境に適応していくのに役立ったり、独特の効果があったりする成分で、薬効があります。
二次代謝産物の数が多いものほど薬効が高く、マカには、多い製品では28種類もの二次代謝産物が含まれています。
ビール酵母とは?
ビール酵母は、イースト菌などと同じ酵母菌の一種です。
ビール製造過程で、麦汁(ばくじゅう:ビール大麦が発芽したものを煮た汁)にビール酵母を入れると、ビール酵母が発酵し、炭酸ガスやアルコールをつくりだし、ビールが出来上がります。
その後、ビールの底に沈殿しているビール酵母は、取り出されます。
ビール酵母は、もともと栄養が豊富ですが、使用された後は、麦汁の栄養を含んでいるので、さらに栄養が豊富です。
ですので、ビール酵母は、栄養食品となったり、家畜の飼料に混ぜて健康に役立ったり、肥料となったり、と活用されています。
ビール酵母は、何万種類もあり、酵母によって含まれる成分の数が異なりますが、
・たんぱく質
・19種類のアミノ酸
・9種類のミネラル
・グルカン、マンナンなどの食物繊維
・10種類のビタミン
・DNAやRNAなどの核酸
を、含んでいます。
期待できる相乗効果
貧血の予防、改善
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ヘモグロビンは、血液中の赤血球に存在し、酸素を全身に運ぶ働きがあります。
ヘモグロビンが減少すると、貧血になって体内の酸素が不足し、動悸、息切れ、立ちくらみ、めまい、倦怠感などの症状が起きます。
貧血の予防、改善には鉄を摂取することが知られていますが、実は、鉄を摂取しただけでは貧血は予防、改善できません。
貧血を予防、改善するには、次の7つの成分が効果的です。成分名 効果 たんぱく質 ・ヘモグロビンの材料となる
・鉄の吸収率を上げる鉄 ヘモグロビンの材料となる 銅 ヘモグロビンの合成に必須の酵素の材料となるので、貧血対策に欠かせない成分 ビタミンB6 たんぱく質の合成に必要 ビタミンB12 正常な赤血球をつくるのに必要 ビタミンC 鉄の吸収率を上げる 葉酸 ビタミンB12といっしょに血液をつくりだす マカには、上記の7つの成分のうち、葉酸以外の全てが含まれています。
活性酸素は、赤血球を守っている細胞膜を攻撃し、ダメージを与えて、赤血球を壊して溶解性貧血(ようかいせいひんけつ)を引き起こす場合があります。
マカには、活性酸素を除去する抗酸化作用がある、
・ビタミンC
・ビタミンE
・サポニン
・アントシアニン
が含まれています。
ビール酵母は、貧血の予防、改善に効果がある7つの成分のうち、ビタミンC以外の全てを含んでいます。
また、ビール酵母には、高い抗酸化作用があるグルタチオンが含まれています。
マカとビール酵母を同時に摂取すると、貧血の予防、改善に効果がある7つの成分の、足りない成分をお互いに補い、全てを摂取できるので、貧血の予防、改善効果が高まります。
さらに、抗酸化作用がある成分の数が増えるので、溶解性貧血を予防、改善する効果が高まります。
疲労回復
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マカとビール酵母は、どちらも疲労回復に効果がある次の成分を含んでいます。
成分名 効果 アルギニン ・疲労物質のアンモニアを分解する
・筋肉を増強し、脂肪の代謝をよくして疲労を回復する成長ホルモンの分泌を促す
・血管を拡張する一酸化窒素を生成して、血行をよくし、酸素や栄養素を全身に行き渡らせるアスパラギン酸 疲労物質のアンモニアや乳酸を分解する BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン) 筋肉をつくるたんぱく質の約35%を占め、筋肉をつくったり、修復したりして筋肉疲労を回復する グルタミン酸 アンモニアを分解する ビタミンB1 ブドウ糖をエネルギーに変えて疲労を回復する ビタミンB2 たんぱく質、炭水化物、脂質をエネルギーに変える また、活性酸素は、正常な細胞を攻撃し、細胞の機能を低下させて、酸素や栄養素を全身に運搬したり、燃焼したりする働きを悪くします。
そうなると、エネルギーの生産量が減り、疲労を感じます。
マカとビール酵母には、上記の「貧血の予防、改善」で説明したように、活性酸素を除去する抗酸化作用があります。
また、ビール酵母の断面には、細胞を殻のように覆う「酵母細胞壁」があります。
この酵母細胞壁には、疲労感を軽減する働きがあります。
マカとビール酵母には、疲労を回復する共通の成分が多く含まれているので、どちらにも疲労を回復する効果があります。
ですので、マカとビール酵母を同時に摂取すると、相乗効果で、さらに疲労回復の効果が高くなることが期待できます。
腸内環境を改善する
腸内環境を改善すると、便秘が予防、改善されたり、免疫力が向上したりします。
マカとビール酵母には、食物繊維が豊富に含まれています。
- 食物繊維の特徴
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食物繊維は、
・善玉菌のエサとなって善玉菌を増やす
・有害物質を吸着する
・腸壁を刺激してぜん動運動を促進する
・便の固さをちょうどよい固さにする
などの働きがあるので、腸内環境をよくします。
腸内環境をよくすると、腸の働きが整って、便秘を予防、改善します。
また、免疫力の60~70%は腸にあり、体内に有毒物質が侵入するのを防いでいます。
ですので、腸内環境が整うと、腸の免疫細胞の働きが活発になって、免疫力が高まります。
その他にも、マカとビール酵母には、免疫力を高める次の効果や、効果がある成分が含まれています。
〇抗酸化作用
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活性酸素は、正常な細胞を攻撃してダメージを与え、機能を低下させます。
細胞の機能が低下すると、免疫機能も低下してしまいます。
マカとビール酵母には、上記の「疲労回復」で説明したように、活性酸素を除去する抗酸化作用があるので、活性酸素が増えて、免疫力が低下するのを防ぎます。
〇アルギニン
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アルギニンは、体内に侵入したウイルスや細菌を退治する、免疫細胞のマクロファージを活性化させる作用があります。
また、アルギニンには、成長ホルモンの分泌を促す作用もありますが、成長ホルモンは、病気への抵抗力を高めて、免疫力を向上させる働きがあります。
さらに、アルギニンには疲労回復効果もあるので、体力を向上させて免疫力を高めます。
〇ミネラル
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ミネラルは、腸の働きをサポートする作用があるので、不足すると腸の状態が悪くなってしまいます。
そうなると、腸内バランスが乱れ、免疫力が低下してしまいます。
マカには9種類、ビール酵母には、7~9種類ものミネラルが含まれています。
さらに、ビール酵母の断面にある酵母細胞壁には、免疫力を高める効果がある「β-グルカン」という成分が含まれています。
ビール酵母細胞壁には、ウイルスに感染した細胞を破壊するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)を増やしたり、白血球の濃度の低下を防いだりする効果があることが実験で判明しています。
マカとビール酵母には、どちらにも腸内環境をよくし、免疫力を高める効果があるので、同時に摂取すると、相乗効果で便秘の予防、改善や免疫力の向上の効果がより高くなります。
肝臓の働きを助ける
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マカとビール酵母には、どちらにも肝臓の働きを助ける次の成分が含まれています。
成分名 効果 メチオニン ・肝臓に溜まった有害物質や毒素を分解する
・血液中のコレステロールを燃焼し、肝臓に脂肪が溜まるのを防ぐ
・肝臓の代謝をよくし、肝臓の機能を活性化させる
・肝臓病の予防、改善効果があるタウリンの材料となるアルギニン ・有害物質のアンモニアを分解する
・アルコールの代謝を促し、肝細胞を保護する働きがある一酸化窒素をつくる
・脂肪を燃焼する働きがある酵素のリパーゼの材料となるアスパラギン酸 アンモニアを尿として無毒化し、体外に排出する グルタミン酸 アンモニアを取り込んでグルタミンに変えて無毒化し、体外に排出する リジン
プロリンリパーゼの材料となってリパーゼを活性化させる 肝臓は、有害物質を分解したり、胆汁を生成したりしますが、これらの働きには酸素が大量に必要です。
活性酸素は、体内で酸素を消費すると必ず発生するため、肝臓には大量の活性酸素が発生し、肝細胞を攻撃して傷つけます。
また、活性酸素は、肝臓に溜まった脂肪と結びつくと、有害な過酸化脂質に変化するため、肝臓が炎症を起こして、機能が低下してしまいます。
しかし、マカとビール酵母には、活性酸素を除去する高い抗酸化作用があります。
さらに、ビール酵母に含まれている抗酸化物質のグルタチオンには、強い解毒作用もあるので、肝臓の解毒作用をサポートします。
マカとビール酵母には、肝臓の働きを助ける成分が多く含まれているので、同時に摂取すると、相乗効果でさらに高い効果が期待できます。
美肌、アンチエイジング効果
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マカとビール酵母には、美肌、アンチエイジングに効果がある共通の成分が多く含まれています。
マカとビール酵母には、どちらも高い保湿効果があるアミノ酸が豊富に含まれています。
また、アミノ酸は、肌に弾力やハリをもたらすコラーゲンやエラスチンの材料となります。
その中でも、特に、マカにもビール酵母にも含まれている非必須アミノ酸のアルギニンは、高い美肌効果があります。
アルギニンには、成長ホルモンの分泌を促したり、皮下組織の細胞の働きを促したりする働きがあります。
成長ホルモンは、新陳代謝をよくして、肌のターンオーバー(生まれ変わり)を促します。
ターンオーバーがスムーズに行われると、肌の老廃物や古い角質が取り除かれ、新しい皮膚が生まれるので、しわやしみ、たるみを防ぎ、美しい肌を保ちます。
また、皮下組織の細胞の働きが促進されると、肌に弾力やうるおいをもたらすヒアルロン酸がつくられます。
活性酸素は、細胞を攻撃して機能を低下させるので、老化の原因となります。
また、コラーゲンやエラスチンを攻撃して、肌の弾力やハリを減らし、しみやしわ、たるみをつくります。
マカとビール酵母には、上記の「貧血の予防、改善」で説明したように、抗酸化作用があります。
その他にも、マカとビール酵母は、美肌、アンチエイジング効果がある次の成分を含んでいます。成分名 効果 ビタミンB2 ターンオーバーを促す 亜鉛 細胞を再生し、ターンオーバーを促す 鉄 コラーゲンの生成を促す カルシウム 細胞間の保湿効果を高める「細胞間脂質」の働きをよくする マグネシウム ・肌のバリア効果(刺激や乾燥から肌を守る)を高める
・ターンオーバーを促す
マカとビール酵母には、どちらも美肌効果のある成分を含み、老化を予防する抗酸化作用があるので、同時に摂取すると、高い美肌、アンチエイジング効果が期待できます。
効果的な摂取時間
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マカとビール酵母は健康食品なので、摂取するのに決まった時間はありませんが、効果的な時間はあります。
成長ホルモンは、就寝後30分~3時間の間に分泌されます。
マカとビール酵母に含まれているアルギニンの成長ホルモンの分泌を促す効果に期待したい時は、就寝前に摂取すると、より高い効果が期待できます。
また、食事時は吸収率が高くなるので、摂取するのに適しています。
マカもビール酵母も、一度にまとめて摂取するよりも、数回に分けて摂取した方が効果的なので、一日に必要な摂取量を、食事時と就寝時の4回に分けて摂取するといいでしょう。
まとめ
マカは、アンデス山脈の高地が原産地の植物で、ビール酵母は、ビールをつくった後に残る酵母です。
どちらも栄養素を豊富に含んでおり、
・貧血の予防、改善
・疲労回復
・腸内環境を整える
・肝臓の働きを助ける
・美肌、アンチエイジング効果
の効果があります。
マカとビール酵母を同時に摂取すると、相乗効果でこれらの効果がより高くなることが期待できます。
マカとビール酵母を摂取する場合は、一日に必要な量をまとめて一度に摂取せずに、食事時と就寝前に分けて摂取すると、より高い効果が期待できます。