マカに含まれるグリシン
マカには、非必須アミノ酸のグリシンが含まれています。
ここでは、マカに含まれているグリシンの効果や、マカに含まれているその他の栄養素との相乗効果について説明します。
マカに含まれるグリシンの量
マカには、グリシンが100グラム中410ミリグラム含まれています。
グリシンが多いといわれる貝類のあさりには640ミリグラム、あわびには1200ミリグラム含まれているので、マカには、グリシンがかなり含まれています。
ただし、マカの一日の摂取量は1500ミリグラムなので、マカで摂取できるグリシンの量は6.15ミリグラムです。
マカの摂取量の上限は4000ミリグラム(4グラム)で、それ以上摂取すると副作用がでる場合があります。
ですので、マカを一日に100グラム摂取することは現実的ではないことに注意してください。
なお、マカは、栽培された土地や環境、栽培方法で、含まれる成分の量や数が異なるので、含まれるグリシンの量も製品によって異なります。
グリシンの働き
グリシンは、非必須アミノ酸のひとつで、たんぱく質を構成するアミノ酸の中で最も小さく、単純な形をしています。
グリシンには4つの働きがあります。
・睡眠の質をよくする
・保湿効果
・セロトニンを増やす
・肝臓の解毒作用にかかわる
グリシンは、食品から摂取する以外にも、体内でセリンやスレオニンから合成できるので、比較的不足しにくい成分です。
しかし、現代人は、不規則な生活をしている人や、ファストフードなどで栄養が偏った食事をしている人が増え、グリシンが不足しがちな人が増えてきました。
ですので、サプリメントなどで積極的に摂取することが勧められています。
グリシンの効果とマカの栄養素の効果
- マカとは
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マカは、ペルーのアンデス山脈の高地が原産地です。
アンデス山脈の高地は、標高が4000メートルもあるので、空気が薄く、日中の温度差が30度以上もあり、日照りがあれば霜がおり、雹(ひょう)が降る、という過酷な環境です。
マカは、この環境を生き抜くために、土地の栄養素を吸い出して、根に貯めるので、栄養素を豊富に含んでいます。
マカでグリシンを摂取すると、他の栄養素との相乗効果で、次のような働きが期待できます。
・不眠症を予防、改善する
・美肌効果
・うつ病を予防、改善する
・肝臓の働きを助ける
それぞれの効果と、マカのグリシンとその他の栄養素が、どのように関連するのかを詳しく説明します。
不眠症を予防、改善する
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人は、身体の深部の温度が下がると眠くなります。
深部の温度は、熱が放出されて手足などの末端の温度が上がると、下がります。
グリシンは、末端の血流をよくして、熱が放出されるのを助ける働きがあります。
また、脳が寝ている状態のノンレム睡眠と、脳が活発に動いている状態のレム睡眠のサイクルを整え、ノンレム睡眠を増やす働きがあるので、熟睡感のある深い睡眠を増やす働きがあります。
このような作用があるので、グリシンを摂取すると寝つきや睡眠の質がよくなり、不眠の予防、改善ができます。
マカには、不眠の解消に効果がある次の3つの働きがあります。
ホルモンバランスの乱れによる不眠を改善する
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ホルモンバランスと自律神経のバランスは、同じ脳の視床下部(ししょうかぶ)というところでコントロールされています。
そのため、閉経前後の更年期に、女性ホルモンのエストロゲンが減少すると、ホルモンバランスが乱れ、視床下部を通じて自律神経も乱れてしまいます。こうして、不眠や、頭痛、めまい、動悸、息切れなどの更年期障害の症状がでます。
マカは、植物性エストロゲンを含んでいるので、減ったエストロゲンの代わりに働いて、ホルモンバランスや自律神経の乱れを防いで、更年期障害による不眠を予防、改善します。
冷えによる不眠を改善する
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冷え性の人は血行が悪いので、末端の血管まで血液が十分に行き渡りません。
そうなると、熱が放出されないので、身体の深部の体温が低下せず、寝つきが悪くなります。
マカは、血行をよくする働きがある次の成分を含んでいるので、冷えによる不眠を改善する働きがあります。成分名 効果 アルギニン ・血管を拡張する働きがある一酸化窒素をつくる ビタミンE ・血管を固くして血流を悪くする活性酸素を除去する働き(抗酸化作用)がある
・毛細血管(動脈に繋がる末端の血管)を拡張して血行をよくするアルカロイド類(※二次代謝産物) ・血行促進作用 サポニン(二次代謝産物) ・抗酸化作用、
・血行促進作用※二次代謝産物とは、植物が生きていくのに必要ではないが、環境に適応していくのに役に立ったり、独特の働きがあったりする成分で薬効があります。
ストレスによる不眠を改善する
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過度のストレスがかかると、交感神経が常に優位の状態が続き、緊張が解けないので、寝付けなくなったり、夜中に何度も起きたりします。
マカは、次の成分が含まれているので、ストレスを緩和し、リラックスして寝つきをよくし、夜中に目が覚めないようにします。成分名 効果 トリプトファン
フェニルアラニン
メチオニン・ストレスを緩和するセロトニンの材料となる ビタミンB1 ・神経を正常に保ち、ストレスに対する耐性を強める ビタミンC ・ストレスに対抗する働きがある副腎皮質ホルモンの合成に欠かせない成分 カルシウム ・イライラを防ぎ、精神を落ち着かせる マグネシウム ・イライラを防ぐ
・筋肉を緩めてリラックスさせる
・セロトニンの合成に必要マカミド、マカエン、サポニンなどの二次代謝産物 ・ストレスに対抗するエネルギーをつくりだす マカには、このように、スムーズな入眠や、快適な睡眠を促す効果が多くあります。
ですので、マカでグリシンを摂取すると、相乗効果で不眠症の予防、改善効果が期待できます。
美肌効果
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グリシンは、コラーゲンやエラスチン(肌に弾力を与える成分)の材料となるアミノ酸の約3分の1を占めています。
また、天然保湿成分(NMF:肌の角質細胞の中にある水分を守る成分)のひとつでもあるので、美肌効果に重要な成分です。
マカには、その他にも、次のような美肌効果がある成分を含んでいます。成分名 効果 アルギニン ・成長ホルモンの分泌を促し、ターンオーバー(肌の生まれ変わり)をスムーズにする ビタミンC
ビタミンE
アントシアニン
サポニン・コラーゲンやエラスチンを酸化させて、しみやしわ、たるみをつくる活性酸素を除去する(抗酸化作用) ですので、マカでグリシンを摂取すると、これらの成分との相乗効果で、美肌効果が得られます。
うつ病の予防、改善
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グリシンは、脳の神経伝達物質のセロトニンを増加させる働きがあります。
セロトニンは、「幸せホルモン」ともよばれており、こころを落ち着かせ、やすらぎを与える効果があるので、不足するとうつを引き起こします。
ですので、グリシンには抗うつ作用があります。
マカには、グリシン以外にも抗うつ効果がある、以下の成分を含んでいます。成分名 効果 トリプトファン
フェニルアラニン
メチオニン・セロトニンの材料となる 植物性エストロゲン ・エストロゲンでに似た働きで、エストロゲンが減って起こる更年期うつを予防、改善する また、うつの原因のひとつとなる、自律神経の乱れやストレスの緩和、心身の疲労回復などの効果もあります。
ですので、マカでグリシンを摂取すると、これらの相乗効果でうつ病を予防、改善する効果が期待できます。
肝臓の働きを助ける
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グリシンは、肝臓の解毒作用を助ける働きがあります。
水に溶けない成分は、体外に排出するのが難しいのですが、※トルエン(臭気をもつ有機物)や安息香酸(あんそくこうさん:天然樹脂の安息香に存在する芳香族化合物)は、グリシンと結合すると馬尿酸(ばにょうさん)となって水に溶けて排出されます。
また、胆汁の中の胆汁酸の約3分の1は、グリシンと結合して脂質の消化と吸収を助けます。
グリシンが不足すると脂質代謝が悪くなると、考えられています。
※トルエンは、シンナー臭の元となる成分で、吸い込むと有害です。安息香酸は、国で禁止はされていませんが、安全性に関して動物実験の結果などから議論が行われています。
マカには、グリシンの他にも、次のような肝臓の働きを助ける成分を含んでいます。成分名 効果 メチオニン ・有害物質や毒素を分解する
・肝臓の代謝をよくする
・肝臓に脂肪が蓄積されるのを防ぐ
・肝臓病の予防、改善に効果が高いタウリンの材料となるアルギニン ・アンモニアを分解して肝臓の解毒作用を助ける グルタミン酸 ・アンモニアを取り込んでグルタミンに変えて無毒化し、体外に排出する アスパラギン酸 ・アンモニアを尿として無毒化し、排出する リジン
プロリン
アラニン
アルギニン・脂肪を燃焼させるリパーゼの働きを活発にし、血中のコレステロール脂肪を減らして肝臓の負担を減らす また、肝臓の働きを悪くする場合がある、自律神経の乱れや、高血圧、ストレス、肥満を予防、改善する働きもあります。
ですので、マカでグリシンを摂取すると、これらの相乗効果で肝臓の働きを助けることが期待できます。
効果的な摂取時間
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グリシンは、夕方以降、寝る前までに摂取すると効果が高くなります。
マカは必要な量を一度に全部摂取するよりも、数回に分けた方が効果的です。
また、マカは、食事時に摂取すると、吸収率が高くなるので、グリシンの効果を期待する場合は、毎食時と、夕方以降から寝る前までに摂取すると、より効果が期待できます。
まとめ
非必須アミノ酸のグリシンは、
・睡眠の質をよくする
・保湿効果
・セロトニンを増やす
・肝臓の解毒作用に関わる
などの働きがあります。
マカは、栄養素を豊富に含んでいるので、マカでグリシンを摂取すると、他の成分との相乗効果で、
・不眠症の予防、改善
・美肌効果
・うつ効果
・肝臓の働きを助ける
が、特に期待できます。
マカは、必要な量を数回に分けて摂取すると効果が高くなります。グリシンは、夕方から寝る時間前までに摂取すると効果が得やすいので、マカを摂取する際は、食事時と就寝前に摂取するとより高い効果が期待できます。