マカとカルニチン
マカとカルニチンには共通の効果があるので、同時に摂取すると相乗効果が得られます。
ここでは、マカとカルニチンを同時に摂取すると得られる相乗効果や、効果がある成分について説明します。
マカとは?
マカが栄養豊富な理由
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マカは、アンデス山脈の高地が原産地のアブラナ科の植物です。
アンデス山脈の高地は高度が4000メートルもあり、空気が薄く強烈な紫外線がそそぎます。
一年の平均気温は7度以下ですが日中の温度差は30度もあり、強風が吹き下ろします。
さらに、日照りがあるのに霜が降りたり雹(ひょう)が降ったりする、という過酷な環境です。
マカはこの環境を生き抜くために、土地の栄養を吸い尽くして根に溜めるので栄養素を豊富に含んでいます。
マカには、
・18種類のアミノ酸
・ビタミン
・9種類のミネラル
・食物繊維
・サポニンやマカミド、マカエンなどの二次代謝産物※
が含まれています。
マカの効果
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マカは、この豊富な栄養素の相乗効果で、
・生活習慣病の予防、改善
・ダイエット効果
・不妊の予防、改善
・EDの予防、改善
・更年期障害の予防、改善
・疲労回復
・滋養強壮、精力増強
・血行促進
・美肌効果
などの、さまざまな効果があります。
※二次代謝産物とは、植物が生きていくのに必須ではないが、環境に適応していくのに役に立ったり、独特の効果があったりする成分で薬効があります。
二次代謝産物が多いものほど薬効が高く、マカには多い製品では28種類もの二次代謝産物が含まれています。
カルニチンとは?
カルニチンは、必須アミノ酸のメチオニンとリジンから合成できる化合物で、ビタミン様物質(ビタミンに似た働きがあるが体内で合成できるもの)です。
カルニチンの98%は筋肉中に存在し、残りの2%は血液や肝臓に存在しています。
体内で合成できますが20歳くらいから合成量が減っていき、中年になると20代の7割程度の量に減り、高齢になるとほぼ合成できなくなります。
カルニチンを合成できる量は、成人で一日に10ミリグラム~20ミリグラムほどなので、食事やサプリメントで200ミリグラムは摂取することが望ましいとされています。
カルニチンには、
・L-カルニチン
・DL-カルニチン
・D-カルニチン
・レボカルニチン
などの種類がありますが、サプリメントに使われているのは脂肪燃焼効果があるL-カルニチンです。
L-カルニチンの働き
L-カルニチンには、
・脂肪を燃焼する
・効率よくエネルギーを生産する
という働きがあるので、
・ダイエットのサポート
・生活習慣病の予防、改善
・疲労回復
などの効果があります。
マカはカルニチンの材料となる
カルニチンは、必須アミノ酸のリジンとメチオニンから合成されますが、その際には、
・ビタミンC
・ビタミンB3(ナイアシン)
・ビタミンB6
・鉄
が不可欠です。
マカには、これらのカルニチンの材料が全て含まれているので、カルニチンの合成を助けてカルニチンの効果を高める働きがあります。
ただし、マカは栽培された土地や環境、栽培方法によって含まれている成分や量が異なるため、製品によってはビタミンB3が含まれていないものもあります。
マカとカルニチンの相乗効果
マカとカルニチンを同時に摂取すると、次のような相乗効果が期待できます。
ダイエットをサポートする
マカは脂肪を分解する
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マカに含まれている、
・アルギニン
・アラニン
・リジン
・プロリン
には、脂肪を分解する働きがある「リパーゼ」という酵素の材料となって体脂肪を燃焼したり、体内の余分な水分を体外に排出したりしてダイエットをサポートする作用があります。
アルギニンには、血管を拡張し血管に弾力を与える働きがある一酸化窒素を生成して、血行をよくする働きもあります。
血行が悪くなると体温が低下し、腸の動きが悪くなって便秘になる場合があります。
便秘になって腸の動きが悪くなると栄養素が燃焼されにくくなり、老廃物が溜まって痩せにくくなります。
ダイエットに効果があるマカの成分
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マカには、その他にもダイエットに効果がある次の成分が含まれています。
成分名 効果 食物繊維 ・悪玉菌を抑える善玉菌のエサになって腸内環境を整え、便秘を防ぐ
・腸のぜん動運動を促すマカミド
マカエン高い脂肪燃焼効果がある ビタミンE 毛細血管を広げて血行をよくする サポニン
アルカロイド類血行促進効果 ビタミンB
ビタミン6脂肪を燃焼する
脂肪の燃焼に欠かせないカルニチン
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脂肪は、細胞の中にあるミトコンドリア(有機物質からエネルギーを産み出す働きがある小器官)で燃焼され、エネルギーに変換されます。
しかし、脂肪は単体ではミトコンドリアに取り込まれることができません。
脂肪は、まずリパーゼという酵素によって脂肪酸とグリセロールに分解されます。
その後、脂肪酸はカルニチンによってミトコンドリアの中に運搬され、エネルギーとして燃焼されます。
ですので、カルニチンがないと脂肪酸は燃焼されず、そのまま体内に蓄積されてしまいます。
カルニチンは、脂肪を燃焼するのに欠かせない物質なので、ダイエットを強力にサポートします。
マカは脂肪を分解するリパーゼの働きを活発にし、カルニチンは分解された脂肪を燃焼するのに欠かせない物質なので、マカとカルニチンを同時に摂取するとお互いの効果を高めあいます。
マカには、その他にもダイエットをサポートする効果がある成分が含まれているので、これらの効果や成分との相乗効果で高いダイエット効果が期待できます。
生活習慣病を予防、改善する
〇マカの効果
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マカには、上記の「ダイエットをサポートする」で説明したようにリパーゼを活発化させて脂肪を分解する効果があるので、肥満を予防、改善します。
また、マカに含まれている亜鉛は、血糖値を下げる働きがあるインスリンの材料となったりインスリンの働きを助けたりするので、糖尿病の予防、改善に効果があります。
さらに、生活習慣病の予防、改善に効果がある次の成分を含んでいます。成分名 効果 ビタミンC
アントシアニン血管を老化させ、固く狭くして高血圧や動脈硬化の原因となる活性酸素を除去する(抗酸化作用) ビタミンE ・毛細血管を拡張して血行をよくし高血圧を防ぐ
・抗酸化作用サポニン ・コレステロール値を下げる
・抗酸化作用
・血行促進作用ビタミンB6
ビタミンB12
アルカロイド類脂肪を燃焼する
〇カルニチンの効果
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カルニチンにも、さまざまな生活習慣病の予防、改善効果があります。
・肥満
上記の「ダイエットをサポートする」で説明したように、脂肪を燃焼する働きがあるので生活習慣病の大きな原因のひとつの肥満を予防、改善します。
・動脈硬化、脂質異常症
肝臓と血液中の中性脂肪やコレステロールを低下する働きがあるので、動脈硬化、脂質異常症を予防、改善します。
・糖尿病
糖の代謝をよくしてブドウ糖を取り込む速度を速め、糖尿病を予防、改善します。
・高血圧
血管を広げて血行をよくする働きがある一酸化窒素の合成を促進して、高血圧や動脈硬化を予防、改善する働きがあります。
マカにもカルニチンにも、肥満、動脈硬化、高血圧、糖尿病などの生活習慣病を予防、改善する効果があります。ですので、マカとカルニチンを同時に摂取すると、お互いの効果を高めあって生活習慣病を予防、改善する効果をより一層高めることが期待できます。
疲労を回復する
疲労回復効果が高いアルギニン
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マカに含まれているアルギニンは、疲労物質のアンモニアを分解して疲労を回復する効果があります。
また、アルギニンには成長ホルモンの分泌を促す働きがありますが、成長ホルモンは筋肉を増強する作用もあるので筋肉の疲労を回復します。
さらに、上記の「ダイエットをサポートする」で説明したように、血行を良くする働きがあります。
血行がよくなると酸素や栄養素が全身に行き渡って、エネルギーを産出しやすくなったり、体内の疲労物質が取り除かれたりするので疲労が回復します。
疲労回復効果があるマカの成分
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マカには、その他にも疲労回復に効果がある次の成分が含まれています。
成分名 効果 グルタミン酸 アンモニアと結合してグルタミンに変わることでアンモニアを無毒化し、体外に排出する アスパラギン酸 疲労物質の乳酸やアンモニアを分解する BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン) ・筋肉をつくったり修復したりして筋肉の疲労を回復する
・グルタミン酸の材料となるビタミンB1 ブドウ糖をエネルギーに変換して疲労を回復する ビタミンB2 たんぱく質、炭水化物、脂質をエネルギーに変換する ビタミンE ・細胞を攻撃して酸化して機能を低下させ、エネルギーの生産量を減らす活性酸素を除去する(抗酸化作用)
・毛細血管を広げて血行をよくするビタミンC
アントシアニン
サポニン抗酸化作用
カルニチンの疲労回復効果
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カルニチンは、上記の「ダイエットをサポートする」で説明したように、脂肪を燃焼するのに欠かせない物質です。
脂肪が燃焼されると、エネルギーに変換されるので疲労が回復します。
運動時に走る時のエネルギーは、はじめに糖質が使われます。
しかし、カルニチンの働きでどんどん脂肪がエネルギーに変換されると、エネルギーの量が増えるのでスタミナが持続します。
さらに、カルニチンは筋肉の損傷を抑制する効果もあるので、筋肉痛を軽減するなど運動の疲労回復に高い効果を発揮します。
マカは、脂肪を燃焼する、疲労物質を分解する、活性酸素を除去する、栄養素をエネルギーに変換する、などさまざまな作用で疲労を回復します。
カルニチンは、脂肪を燃焼してエネルギーをつくって疲労を回復するので、マカとカルニチンを同時に摂取すると、相乗効果でより高い疲労回復効果が期待できます。
続けて摂取することが大切
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マカは、薬ではなく栄養食品なので即効性はなく、続けて摂取することによって効果を発揮します。
カルニチンも一度に大量に摂取するのではなく、適量を毎日続けて摂取することで効果が現われます。
ただし、マカは一日に4000ミリグラム以上、カルニチンは1000ミリグラム以上摂取すると過剰摂取となり、
・マカ・・・頭痛、吐き気、不正出血、めまい、ニキビ
・カルニチン・・・下痢、吐き気、嘔吐、体臭が生臭くなる
などの副作用が発生する場合があるので、注意が必要です。
また、マカやカルニチンを摂取しただけでみるみる痩せたり、生活習慣病が治ったりするわけではありません。
マカやカルニチンを摂取しつつ、規則正しい生活や適度な運動、食生活の改善などを行うと、より高い効果が期待できます。
まとめ
マカはアンデス山脈の高地が原産地の植物で、カルニチンは体内でメチオニンとリジンから合成される化合物です。
マカとカルニチンには、
・ダイエットをサポートする
・生活習慣病を予防、改善する
・疲労回復
の効果があります。
また、マカはカルニチンを合成する際に必要な、
・リジン
・メチオニン
・ビタミンC
・ビタミンB3
・ビタミンB6
・鉄
を全て含んでいるので、カルニチンの合成を助けます。
ですので、マカとカルニチンを同時に摂取すると、これらの効果がより高くなることが期待できます。
マカもカルニチンも、適量を続けて摂取することで効果を発揮しますが、摂取しただけで痩せたり、生活習慣病が治ったりするわけではありません。マカとカルニチンを摂取しながら規則正しい生活や適度な運動、食生活の改善を心がけるとより高い効果が期待できます。