マカはエストロゲンを増やす?
マカにはエストロゲンの働きを補ったり、エストロゲンの分泌を活発にする働きがあります。
ここでは、マカのエストロゲンに対する働きについて詳しく説明します。
エストロゲンとは?
エストロゲンは、女性ホルモンの一種で卵胞ホルモンとも呼ばれます。
エストロゲンは卵巣の中の卵胞という卵子を包んでいる袋から分泌され、脳の視床下部(ししょうかぶ)というところでコントロールされています。
エストロゲンには、
・子宮内膜を厚くして卵子を着床しやすくする
・コラーゲンやヒアルロン酸の合成を助ける
・乳腺の発達を促す
・骨の代謝を促す
・自律神経の乱れを防ぐ
・抗酸化作用(活性酸素を除去する働き)
などの働きがあります。
ですので、エストロゲンが減少すると、
・不妊
・更年期障害
・骨粗しょう症
・自律神経失調症
・肌のトラブル
などの症状が現われる場合があります。
マカのエストロゲンに対する働き
マカにはエストロゲンに対する3つの働きがあります。
(1)エストロゲンの代わりをする
マカにはエストロゲンに似た働きがある植物性エストロゲンが含まれているので、エストロゲンが減少した時に代わりに働きます。
(2)エストロゲンを増やす
また、エストロゲンの分泌をよくする成分を含んでいるので、エストロゲンを増やす働きもあります。
(3)エストロゲンの減少を防ぐ
さらに、エストロゲンが減少する原因となる活性酸素を除去したり、ストレスや睡眠不足を予防、改善する働きもあります。
次に、これらの3つの効果について詳しく説明します。
植物性エストロゲンでエストロゲンの働きを補う
マカには、エストロゲンに似た働きをする植物性エストロゲンが含まれています。
エストロゲンは、エストロゲンだけでは効果を発揮できません。
エストロゲンが効果を発揮するためは、細胞内の「エストロゲン受容体」と結合する必要があります。
植物性エストロゲンは構造がエストロゲンに似ているため、エストロゲンの代わりにエストロゲン受容体と結合することができ、エストロゲンと同じような働きをします。
植物性エストロゲンはエストロゲンの量を増やすことはできませんが、このようにしてエストロゲンの代わりに働くことができます。
エストロゲンの分泌を活発にする成分を含んでいる
マカは、エストロゲンの分泌を活発にする成分を含んでいます。
エストロゲンの代謝を助けるビタミンB6
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マカに含まれているビタミンB6は、エストロゲンの代謝をサポートしたりホルモンバランスを調整したりする働きがあります。
また、ビタミンB6はエストロゲンが生成されると減るので、ビタミンB6が不足するとエストロゲンが減少してしまいます。
ホルモンバランスを整えるアルギニンとビタミンE
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アルギニンは、ホルモンの分泌が減った場合は増やすように働くので、エストロゲンが減少した時に、分泌を促す働きがあります。
また、増えすぎた場合は減らすように働くのでホルモンバランスの調整に効果がある成分です。
ビタミンEは、卵巣に働きかけて女性ホルモンのバランスを調整したり、エストロゲンが正常に働くようサポートしたりする作用があります。
エストロゲンが減少する原因を予防、改善する
マカは、エストロゲンが減少する次の原因を予防、改善する効果があります。
活性酸素の攻撃でエストロゲンが減少する
呼吸で取り込んだ酸素が体内で消費されると、約2%の活性酸素が発生します。
活性酸素は、酵素の働きを助けたり体内に侵入したウイルスや細菌を攻撃して酸化させて除去したりする良い働きがあります。
しかし、紫外線やストレス、喫煙、激しい運動などが原因で増えすぎると正常な細胞を攻撃してしまいます。
卵巣が攻撃されると卵巣の細胞の機能が低下し、エストロゲンの分泌量が減ってしまいます。
マカには活性酸素を除去する働きがある、
・ビタミンC
・ビタミンE
・サポニン
・アントシアニン
が含まれています。
ストレスを感じるとホルモンバランスが乱れる
過度のストレスを受けると自律神経の働きが乱れてしまいます。
自律神経は、ホルモンバランスと同じく脳の視床下部でコントロールされているのでお互いに影響を受けやすく、自律神経が乱れるとホルモンバランスも乱れてしまいます。
ですので、ストレスを受けるとホルモンバランスが乱れてエストロゲンが減少する場合があります。
- トリプトファンで幸せホルモンをつくる
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マカに含まれているトリプトファンは、幸せホルモンと呼ばれ、精神を安定させてこころにやすらぎを与えるセロトニンの材料となってストレスを予防、緩和します。
- 二次代謝産物でストレスに対抗する
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マカには、
・マカエン、マカミド(マカにしか含まれていない特別な成分)
・サポニン
・アントシアニン
・アルカロイド類
・グルコシノレート類
などの二次代謝産物が含まれています。
二次代謝産物とは、植物が生きていくのには必要ではないが、環境に適応していくのに役に立ったり独特の効果があったりする成分のことです。
マカは、二次代謝産物の働きによって脂肪を燃焼し、ストレスに対抗するためのエネルギーを産み出してストレスを予防、緩和する働きがあることが、中村学園大学の内山教授の研究で判明しています。
マカにはその他にも、
・カルシウム・・・イライラを防いでこころを安定させる
・ビタミンC・・・ストレスに対抗する働きがある副腎皮質ホルモンの生成に必要
・ビタミンB1・・・精神を正常に保ち、不安や興奮を感じにくくしてストレスに対する耐性を強める
などの成分も含まれているので、これらの成分の相乗効果で、ホルモンバランスを乱してエストロゲンを減少させるストレスを予防、緩和します。
睡眠不足は視床下部にダメージを与える
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脳の視床下部はレム睡眠(脳は起きている状態の睡眠)とノンレム睡眠(脳も寝ている状態の睡眠)の切り替えも行っています。
睡眠が不足すると視床下部はダメージを受け、正常に機能しなくなります。
そうなると、ホルモンバランスも影響を受けてエストロゲンが減少してしまう場合があります。- 睡眠不足の予防、改善効果もあるトリプトファン
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上記の「ストレスを感じるとホルモンバランスが乱れる」で説明したように、マカにはセロトニンの材料となるトリプトファンが含まれています。
セロトニンはストレスを予防、緩和する効果がありますが、同時にメラトニンの材料にもなります。
メラトニンは睡眠ホルモンと呼ばれ、体内時計を整えて決まった時間に眠くなるようにしたり、質のよい深い眠りをもたらしたりする働きがあります。
ですので、トリプトファンはストレスや睡眠不足の予防や改善に大きな効果があります。
- 熟睡感のある睡眠をもたらすグリシン
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人は身体の深部の温度が下がると眠くなります。
身体の深部の温度は、手足などの末端の温度が上がると下がります。
グリシンは、末端の血流をよくして手足の温度を上げ、深部の温度を下げて自然な入眠に導く効果があります。
また、グリシンは、ノンレム睡眠とレム睡眠のリズムを整えて、短い時間で深い眠りのノンレム睡眠に導くことでノンレム睡眠の時間を長くして熟睡感のある質のよい睡眠をもたらす効果があります。
まとめ
マカにはエストロゲンの働きに似た植物性エストロゲンが含まれているので、エストロゲンが減少した時に代わりに働きます。
また、
・エストロゲンの分泌を活発にする働きがあるビタミンB6
・ホルモンバランスを調整したりエストロゲンが正常に働くようにサポートするビタミンE
が含まれているので、エストロゲンを増やす働きもあります。
さらに、エストロゲンの減少の原因となる、
・活性酸素
・ストレス
・睡眠不足
を除去したり予防、改善したりする働きもあります。
マカには、
・エストロゲンの代わりをする
・エストロゲンを増やす
・エストロゲンの減少を防ぐ
という3つの効果があるので、エストロゲンの減少による
・不妊
・更年期障害
・骨粗しょう症
・自律神経失調症
・肌のトラブル
を予防、改善します。